小児内分泌(ホルモン)疾患

小児内分泌(ホルモン)疾患

小児内分泌疾患とは、ホルモンの分泌異常により引き起こされる病気のことです。
代表的な疾患は
・思春期早発症
・低身長(成長ホルモン分泌不全症など)
・小児肥満症
等があります。
当院では上記のような疾患のご相談を随時お受けしておりますので、ご予約をお取りになって受診ください。



思春期早発症

通常であれば、女の子は10歳頃、男の子は12歳頃から性ホルモンが上昇し、男女差が外見からわかるようになり、二次性徴・思春期が発来します。
思春期が2〜3年くらい早く始まるのが思春期早発症です。女の子に多いです。
また、男子で14歳以上、女子で12歳以上になっても二次性徴が認められない場合は、思春期遅発症と言います。

症状

思春期早発症は下記の症状の2項目以上を満たせば診断されます。

女児

(1)7歳6ヶ月未満での乳房発育
(2)8歳未満での陰毛発生、または小陰唇色素沈着などの外陰部成熟、腋毛発生
(3)10歳6ヶ月未満での性器出血

男児

(1)9歳未満での睾丸・陰茎・陰嚢などの明らかな発育開始
(2)10歳未満での陰毛の発生
(3)11歳未満での腋毛・ひげの発生や声変わり

治療

思春期が早く来ることで周りのお子さんとの身体の発育の違いが生まれます。学校でのお着替えに困ったり、社会的・精神的負担が大きくなることがあります。
その場合、思春期の進行を遅らせる治療ができます。
まれですが、思春期早発の原因として脳腫瘍や甲状腺機能低下症などがあった場合には、その病気に対する治療を行います。場合には、その病気に対する治療を行います。



低身長症

身長が同年齢の標準身長から-2SD(標準偏差の2倍)以下の場合、低身長と言います。
低身長の目安の表をご確認ください。

また、お子さんが生まれてから今までの身長・体重を成長曲線につけてみましょう。
母子手帳の後ろにありますね。母子手帳の後ろにありますね。

年齢が大きいお子さん用に日本小児内分泌学会HPから成長曲線はダウンロードできます。
成長曲線をつけることで、成長の傾向(いまの身長が標準からどれくらい離れているか?1年間でどのくらい成長しているか?年間でどのくらい成長しているか? など)がわかります。

1年の身長の伸び幅が前の年にくらべてが小さくなっている場合、(成長曲線の曲線を横切っているような場合)は治療すべき疾患が隠れていることがあります。
受診される場合は成長の記録(年齢・身長・体重がわかるもの)をお持ちください。

成長ホルモン分泌不全性低身長症

成長ホルモンが原因で身長が低いことが分かった場合、成長ホルモン治療を行います。

その他治療ができる又は治療が必要な低身長症

ターナー症候群、SGA性低身長症性低身長症(お母さんのお腹の中にいる期間(在胎週数)に相当する標準身長・体重に比べ小さく生まれたお子さん)は成長ホルモン治療の保険適応がある場合があります。
成長ホルモンは、自宅での自己注射です。
(SGA性低身長症で成長ホルモンの保険適応になるかどうかは基準があります。ご相談ください。)
後天的な甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモン治療を行います。



小児肥満症

小児の肥満は食の欧米化により1960年頃~2000年頃まで増え続け、現在は減少傾向とな傾向となりましたが小学6年生の10人に人に1人は肥満と言われています。
肥満度を使って評価します。 肥満度は標準体重に対して実測体重が何%上回っているかを示すもので下記の式で計算されます。

肥満度=(実測体重-標準体重) / 標準体重×100 (%)

幼児では肥満度15%以上は太りぎみ、20%以上はやや太りすぎ、30%以上は太りすぎとされています。
学童では肥満度20%以上を軽度肥満、30%以上を中等度肥満、50%以上を高度肥満といいます。
肥満度曲線は小児内分泌学会HPからダウンロードできます

肥満は生活習慣病と呼ばれる2型糖尿病、脂質異常症、高血圧などの原因となります。
これらは動脈硬化を促進し将来的に心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクがあげます。 肥満度が低くても合併症を発症しているお子さんもいて、個人差があります。合併症が起きていても症状が出にくく、わからないうちに進行しているということがあります。 血液検査でわかりますのでご相談ください。
子どもの肥満は大人の肥満のもとでもあります。 特に年長児の肥満ほど大人の肥満に移行しやすいことがわかっています。思春期の時期になると体格が形成され、生活習慣が定着しやすいことから治療が難しくなります。できるだけ早いうちに治療を始めることが大切です。

治療

大人のダイエットのようにむやみに体重を減らす必要はありません。
今の体重を維持するようにします。成長するにつれ身長が伸びていきますので、今の体重を維持できれば、次第に肥満は解消されていきます。
そのためにも食事療法や運動療法を少しずつ取り入れていきます。
定期的に通院することで、体重コントロールに対するモチベーションを維持できます。

食事療法・運動療法の一例
・ジュースを飲まずに水・お茶に変更しましょう。
・お菓子を食べる時間と量を決めましょう。
・ご飯(白米)の量を減らしましょう。
・運動嫌いのお子さんでも生活の中でできる運動(エスカレーターではなく階段を使う・自転車に乗らず歩く・散歩をするなど)を取り入れていきましょう。

監修 小児科専門医 樋口麻子