ヘルパンギーナについて
例年、初夏から秋にかけて特に乳幼児を中心に流行する感染症で夏かぜの代表的な疾患です。原因となるウイルスは、コクサッキーA型ウイルスなどがありますが、複数存在するため一度かかっても繰り返し感染する可能性があります。
小さなお子さまだけでなく、稀に大人の方も発症することがあります。
ヘルパンギーナの症状
39℃近い熱が1~3日程度続きます。また、のどが赤く腫れ、小さな水疱ができるため食べ物はもちろん水を飲むだけでも痛みがあり十分な水分補給ができずに脱水症状を起こす可能性があります。
ヘルパンギーナの治療
ヘルパンギーナの原因となるウイルスは直接効果のある薬はなく、基本的には熱や喉の痛み、炎症を抑える薬を処方する対症療法が基本となります。
ご家庭での注意点
- 喉の痛みのため、食事が出来ずに食欲不振になることがあります。
痛みを避けるため、冷めたおかゆやゼリーなど摂取しやすいものが良いでしょう。 - 同じく喉の痛みのため水分を摂取することも抵抗感を感じてしまうことがあります。
脱水症状を起こさないように、柑橘系の飲み物などは口の中がしみてしまうので避けるようにし、牛乳や麦茶などのど越しが良いものがおすすめです。 - 入浴は高い熱があるときや元気がない時以外は入っても問題ありません。
ヘルパンギーナの予防
ヘルパンギーナは、一般的な風邪と同様に飛沫や手指を介して感染するため、手洗い・うがいや消毒が基本です。トイレの後やお子さんのおむつを取り替えた後など手洗いを入念に行いましょう。また、タオルを介して感染することもあるのでタオルの共有は控えましょう。
登園・登校について
熱が24時間以上なく、食欲が戻り元気であれば登園・登校しても問題ありませんが、学校や園のルールを確認するようにしましょう。
こんな症状の時は受診してください
- 高熱が3日以上続くとき
- 口の中が痛くて水分が取れないとき
- 元気がなく、ぐったりしているとき
監修 小児科専門医 大和田夏子