いびきと睡眠時無呼吸症候群

いびき

呼吸をする時の空気の通り道気道が色々な原因で狭くなり 空気の乱れがおき、軟口蓋(口蓋垂 いわゆるのどちんこの周囲が震えて起きると言われています。この気道が狭くなってしまう理由にはいくつか考えられます。

  • 鼻が詰まっている
  • 口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)やアデノイド(鼻の穴の突き当りにある扁桃組織)などが大きい
  • 舌の筋肉と脂肪を支えるすじのゆるみ、のどへ沈み込む (舌根沈下)
  • その他 、疲労、飲酒や安定剤の内服、口蓋垂が長い 、首が太くて短い等の骨格の問題などがあります。

いびきの治療

ここでは無呼吸を伴わないいびきについて取り上げます 。無呼吸を伴う場合は「睡眠時無呼吸症候群」参照

  1. まず肥満がある方にはダイエットをお勧めします。また飲酒、睡眠剤の内服などもいびきと関係しますから問診の上、日常生活の注意をお話しします。
  2. 鼻閉を伴う患者へは、内服や点鼻により通りを良くしたり 、 形態に問題がある場合には鼻中隔湾曲症の矯正手術や肥厚した粘膜を焼却するレーザー手術などを勧めます。
  3. 口蓋垂が長かったり軟口蓋が大きい場合は手術をする方法もあります。ただ効果が限定的、 また長続きしないこともある点には注意が必要です。
  4. マウスピースを使って下顎を前に押し出すことで舌根沈下を起こしにくくしたり、口呼吸を抑制することで、いびきの発生を抑制することができます。マウスピース作製は専門の医療機関 へ紹介させて頂きます。自費での作製となります。


睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS:SleepApneaSyndrome)とは、寝ている間に呼吸が止まってしまう状態が繰り返されることにより様々な障害が引き起こされる病気のことを言います。
医学的には10秒以上呼吸が停止している状態を「無呼吸」と言いますが、この無呼吸が1時間あたり5回以上、または1回の睡眠で30回以上あれば、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
この睡眠時無呼吸症候群は、自分自身で気づくことが少ないのがこの病気の特徴です。
気付かず放っておくと、高血圧、心不全、脳卒中、糖尿病などを引き起こす原因となります。また日中に眠気が生じて交通事故を引き起こしてしまうことがあります。(度々ニュースで報じられますね)
突然死と関係しているという報告もあります。

なぜ無呼吸は起こるのか

無呼吸は、「閉塞性」と「中枢性」に大きく分けられますが、「閉塞性」が多いです。

「閉塞性」は気道のどこかに狭窄がおきて起こるものです。
小児で多いのは扁桃肥大やアデノイド増殖症によるものです。
成人では舌根(舌を動かす筋肉と脂肪のかたまり)がその重力と筋のゆるみにより、のどに落ち込むこと(舌根沈下)が主な原因になっています。
加齢、肥満、鼻閉による口呼吸、疲労、飲酒、睡眠薬の内服などがその増悪因子となります。

一方「閉塞性」は脳に障害があるために起こるものです。

通常時
睡眠時

睡眠時無呼吸症候群が疑われる症状

無呼吸は自覚症状に乏しい病気です。そのため本人ではなく、家族や友人などから指摘を受けて受診される方も少なくありません。よくある症状を挙げてみます。

  • いびきをかく
  • 夜中に何度も目が覚める、トイレで起きる
  • 寝相が悪い
  • 寝汗をかく
  • 熟睡した感じがない
  • 運転中に眠気を感じる

症状には個人差があります。
上記の症状で心当たりがある、あるいは他人から指摘を受けたことがある方は、一度睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてみてはいかがでしょうか。

睡眠時無呼吸症候群の診断

まずは症状や日常生活の状況などを問診します。必要な場合には、アプノモニターと呼ばれる簡易検査キットをお貸出しし、自宅で装着、記録して頂きます。 これによりいびきや無呼吸の頻度、血中の酸素の状態などを調べることができます。
簡易検査の結果、より詳しい検査が必要であると判断された場合は、専門医療機関で一泊入院をして行う、終夜ポリグラフ検査(PSG検査)を施行します。

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療は、原因や重症度に合わせて、下記の治療法を選択しながら治療 を行っていきます。

  1. 生活習慣の改善
    肥満のある方にはダイエットを勧めています。適切なカロリー摂取や適度な運動を指導します。
    不規則な生活、酒やタバコなどの嗜好品を控えるなど、無呼吸を起こしやすくする生活の見直しも行って頂きます。
  2. マウスピース
    下顎を前に押し出すマウスピースの装着により舌根沈下を防ぎ、口呼吸を抑制することで、無呼吸を改善させることができます。
    マウスピースを作製する際は、専門の医療機関へご紹介いたします。 睡眠時無呼吸症候群を伴う場合のマウスピースの作製は保険適応となります。
  3. CPAP療法
    睡眠時に器械から鼻マスクへ空気を送り込み、気道を広げ呼吸を助ける治療法です。
    大変有効性が高い治療法です。
    一定以上の無呼吸重症度であることで保険適応となります
    診察と機器のレンタル料で、3割負担で毎月5,000円程度の費用がかかります。
  4. 手術療法
    小児などでアデノイド増殖症、扁桃肥大がひどい無呼吸の原因となっている場合、手術で治療を行うことがあります。

最後に

現代社会では、不規則な生活はストレスを強いられることも多く、潜在的に多くの無呼吸患者がいると言われています。必要な検査、治療をせずに社会的、身体的なトラブルを招いてしまうことのないようにしたいものです。
検査を受け、早く無呼吸を発見して必要な治療されることで自身や家族へのリスクマネージメントにも繋がります。
睡眠時無呼吸症候群についてお気軽にお尋ね頂けたらと思います。