肺炎球菌について
肺炎球菌は子どもの感染症の大きな原因のひとつで、健康な子どもでも鼻やのどにもっており、感染すると全身に広がる可能性があります。肺炎球菌による感染症は、特に免疫力の弱い子ども(2歳以下)は特にリスクが高いと言われています。
肺炎球菌感染症の症状
肺炎球菌は感染した場所によって症状が異なります。
中耳炎では、耳の痛み、耳だれ、難聴、発熱などの症状があり、肺炎では、咳、痰、発熱、息苦しさなどがあります。
また、菌が血液に乗って脳に感染すると髄膜炎を起こし、嘔吐やけいれん、意識障害を伴うことがあり重症化すると後遺症が残ったり死亡することがあります。
肺炎球菌ワクチンの効果
肺炎球菌による細菌性髄膜炎などの重い感染症を予防するワクチンで、WHO(世界保健機関)が最重要ワクチンの1つとして、全ての国で定期接種すべきと勧告しております。
肺炎球菌には90種類以上の型がありますが、子どもに重度の感染症を起こす13種類の型に効果のあるワクチンです。
接種スケジュールと接種回数
定期接種対象年齢は生後2か月以上5才未満です。
生後2か月から接種が可能で、標準的なスケジュールでは、4週間間隔で3回、追加接種として3回目から60日以上の間隔をあけて生後12~15カ月に4回目を接種します。
初回の接種月齢、年齢によって接種間隔・回数は変わりますが、できるだけ生後2か月を迎えたらすぐに接種しましょう。
B型肝炎、ロタウイルス、ヒブワクチンなどと同時接種がおすすめです。
接種することができない方
- 発熱がある方
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- ワクチンの成分によってアナフィラキシー(重度のアレルギー反応)を起こしたことがある方
ワクチン接種に注意が必要な方
以下に当てはまる方は事前にご相談ください。
- 心臓、血管、腎臓、肝臓、血液に持病がある方
- これまでの予防接種で接種後2日以内に発熱や全身性発疹等アレルギーを疑う症状のある方
- 過去にけいれんの既往がある方
- 過去に免疫不全の診断がなされている方
- 先天性免疫不全症の病気をもっている近親者がいる方
- ワクチン成分に対してアレルギー反応を起こすおそれのある方
監修 小児科専門医 大和田夏子