ぜん息とは
ぜん息は空気の通り道である気道や気管がアレルギーなどにより炎症が起こり、狭くなって苦しくなる慢性的な病気です。子どもの5~7%がぜん息の症状を持っており、男の子の方が比較的発症率が高いと言われています。
ぜん息の原因
ハウスダストやペットの毛、ダニや花粉や食物などのアレルギーが原因であることがほとんどとされており、気管支が刺激に対して過敏に反応することに症状が起きます。また、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎を患っていたり、ご家族にアレルギー体質の方いる場合、喘息になりやすいと言われています。
ぜん息の症状
ぜん息発作の症状は、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸)や咳を繰り返し、喘息によって起こる発作を喘息発作と言います。 小さなお子さんは上手く症状を伝えられないため、泣きわめいたり、不機嫌になることでぜん息であることを伝えようとすることがあります。
ぜん息の検査と診断
問診
症状や家族歴、生活・環境状態などを伺います。
血液検査
血液を採取して、非特異的 IgE や好酸球、またダニやスギ、食べ物、動物などのアレルギー抗体の有無を調べることもあります。
ぜん息の治療
喘息の治療としては色々な薬物療法を行います。喘息の⻑期管理や発作時に用います。
吸入薬
気管支拡張薬、炎症を抑える吸入ステロイド、クロモグリク酸ナトリウム(アレルギーに関係する物質を抑制する)薬です。
内服薬
ロイコトリエン受容体拮抗薬、気管支拡張薬、ステロイド、テオフィリン製剤など
注射
生物学的製剤(現状は重症の患者へ使用するものです)
ぜん息の予防
生活習慣
規則正しい生活、適度な運動、ストレスをためない生活を心掛けたいですね。
感染症への対策
インフルエンザなどの感染症にかかると症状が悪化する恐れがあります。手洗いうがいの励行や予防接種など。
家庭内で気を付けること
小まめな掃除を心掛けましょう。
花粉シーズンは換気のタイミングを夜にする、空気清浄機を使用する、洗濯物を部屋干しするなどです。
禁煙
喫煙による本人への影響のみならず、家族へも影響します。
こんなときは受診してください
- 風邪が治っても「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった喘鳴が残る
- 吐いてしまうくらい激しい咳
- 咳で眠れない
- うめき声や泣き叫んでしまう
こんな時は救急車を呼びましょう
- 唇の色が青白く変色
- 息を吐くときより吸う方があきらかに時間がかかる
- ボーっとしている、意識がはっきりしていない
- 脈がとても速い
監修 小児科専門医 井上奈巳