BCGについて
BCGは結核を予防するワクチンでスタンプ方式での接種が特徴です。
結核とは結核菌による感染症で、感染症の分類上二類感染症に位置します。
昔は日本人の一番多い死因でしたが現在は治療薬があります。
初期症状は風邪と似ていますが微熱が続いたりすることもあれば、熱が出ず急に手足が麻痺したりするなどの症状がみられることがあります。小さなお子さまは特に重症化しやすいためワクチン接種が必要です。
接種時期と接種回数
生後11か月までに1回接種する必要があります。おすすめは、生後5か月から7カ月での接種目安です。
接種時の注意点
細い9本の針を皮膚に押し付けるスタンプ方式での予防接種です。
接種部位が乾くまで触らないようにしてください。
接種後2~3週間後に膿が出ることがありますが、自然に治りますので薬などを塗らないようにしましょう。
コッホ現象について
通常は接種後10日頃より針跡がポツポツ赤くなりますが、接種後10日以内に接種した部分に強い反応が出ることをコッホ現象と言います。
コッホ現象が起きたら接種前から結核に感染している可能性がありますが緊急性はありません。変化に気づいたら一度当院を受診してください。
また、コッホ現象が起きて接種部分に膿を伴う変化が見られる場合でもガーゼなどの処置はする必要がありません。接種後2~4週間後には反応が落ち着いてきます。
接種することができない方
- 発熱がある方
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- ワクチンの成分によってアナフィラキシー(重度のアレルギー反応)を起こしたことがある方
ワクチン接種に注意が必要な方
以下に当てはまる方は事前にご相談ください。
- 心臓、血管、腎臓、肝臓、血液に持病がある方
- これまでの予防接種で接種後2日以内に発熱や全身性発疹等アレルギーを疑う症状のある方
- 過去にけいれんの既往がある方
- 過去に免疫不全の診断がなされている方
- 先天性免疫不全症の病気をもっている近親者がいる方
- ワクチン成分に対してアレルギー反応を起こすおそれのある方
監修 小児科専門医 井上奈⺒