B型肝炎ワクチン

B型肝炎について

B型肝炎は血液などの体液を介して感染するB型肝炎ウイルスが原因で非常に感染力が強く、主な感染経路としては出産前後に母親からお子さまに感染する母子感染、父子感染やウイルスに汚染された血液の輸血や性行為での感染がありますが、子どもの場合は、原因不明なことが多いとされています。


B型肝炎の症状

B型肝炎ウイルスに感染しても約70%は症状がでることがありません。(不顕性感染)しかし、ウイルスを排除しようとする機能が肝臓の細胞も一緒に攻撃し肝臓に炎症を起こす(肝炎)ことがあります。

肝炎は急性肝炎と慢性肝炎に分けられます。

急性肝炎

1~6ヵ月の潜伏期間を経て発症し、発熱や倦怠感、食欲低下が続き、嘔吐や腹痛、黄疸(体が黄色くなる)が現れますが重症化しなければ数週間で症状は改善しますがそのまま感染している状態が続いてしまう場合があり、この状態をキャリアと言います。

慢性肝炎

感染したウイルスが体から排除されず6ヵ月以上肝炎が続いている状態です。
慢性肝炎自体の自覚症状は軽いことが多いが、肝炎が続くと肝硬変や肝臓がんに進展する可能性があります。


B型肝炎ワクチンの効果

B型肝炎ワクチンを接種することでB型肝炎ウイルスへの免疫ができます。
免疫ができることで一過性の肝炎の予防やキャリアになることを予防できるだけでなく、他の方への感染も防ぐことができます。


接種スケジュールと接種回数

生後2か月から接種が可能で、4週間間隔で2回、さらに1回目の接種から20週以上経ってから1回の計3回接種を1歳になるまでに行います。


接種することができない方

  • 発熱がある方
  • 重篤な急性疾患にかかっている方
  • ワクチンの成分によってアナフィラキシー(重度のアレルギー反応)を起こしたことがある方

ワクチン接種に注意が必要な方

以下に当てはまる方は事前にご相談ください。

  • 心臓、血管、腎臓、肝臓、血液に持病がある方
  • これまでの予防接種で接種後2日以内に発熱や全身性発疹等アレルギーを疑う症状のある方
  • 過去にけいれんの既往がある方
  • 過去に免疫不全の診断がなされている方
  • 先天性免疫不全症の病気をもっている近親者がいる方
  • ワクチン成分に対してアレルギー反応を起こすおそれのある方

監修 小児科専門医 大和田夏子