2種混合ワクチン

2種混合(DT)ワクチンについて

二種混合(DT)ワクチンは、ジフテリアと破傷風の予防をするためのワクチンです。
乳幼児期に接種している4種混合ワクチンの中にジフテリアと破傷風が入っており基礎免疫が付けられていますが、これらの免疫をより確実なものにするために接種されます。

それぞれの病気についてご紹介します。


ジフテリアとは

ジフテリア菌に感染することで発症する病気で、高熱、のどの痛み、声がれ、ケンケンという咳が出ることがあります。また喉にあるリンパ組織を膜で覆う偽膜が形成され、呼吸困難になったり窒息の危険性があります。発症後にジフテリア菌の毒素が心臓の筋肉まで到達し炎症を起こす心筋炎などの重篤な合併症を起こす可能性がありますが、日本ではワクチン接種が進み1999年以降患者の報告はありません。


破傷風とは

破傷風菌が傷口から入って体内で増えて菌が毒素を大量に出すことで筋肉をけいれんさせることがあります。ケガをしてしばらくして顔の筋肉を動かしにくい、笑ったように引きつった顔になるなどの症状が出てその後全身の筋肉が縮んでけいれんを起こします。
日本では年間100名程度発病し、亡くなる方もおられますが、破傷風にかかる方は、1968年より前に生まれてワクチン接種をしていない人に多いためワクチンがとても重要になります。


接種時期と接種回数

11歳~12歳の間に、1回接種を行います。
(13歳の誕生日の前日まで無料で接種ができます)


接種することができない方

  • 発熱がある方
  • 重篤な急性疾患にかかっている方
  • ワクチンの成分によってアナフィラキシー(重度のアレルギー反応)を起こしたことがある方

ワクチン接種に注意が必要な方

以下に当てはまる方は事前にご相談ください。

  • 心臓、血管、腎臓、肝臓、血液に持病がある方
  • これまでの予防接種で接種後2日以内に発熱や全身性発疹等アレルギーを疑う症状のある方
  • 過去にけいれんの既往がある方
  • 過去に免疫不全の診断がなされている方
  • 先天性免疫不全症の病気をもっている近親者がいる方
  • ワクチン成分に対してアレルギー反応を起こすおそれのある方

監修 小児科専門医 井上奈⺒