日本脳炎について
日本脳炎は日本脳炎ウイルスによって起こる脳や脊髄の病気で、豚などの体内で増えたウイルスが蚊を媒体にして人に刺した際に感染させますが人から人への感染はありません。
日本では西日本で流行が見られますが、ウイルスは日本全体に分布しています。
日本脳炎の症状
日本脳炎は感染しても不顕性感染がほとんどです。
感染者の100人~1,000人に1人は脳炎を発症することがあり、発症する場合、潜伏期間は6日~16日程度で発熱や頭痛、嘔吐で発病します。
日本脳炎ワクチンの効果
日本脳炎ワクチンの接種により罹患リスクを75~95%減らすことができると報告されています。日本脳炎の患者に対する抗ウイルス薬はありませんので、ワクチンによる予防が効果的です。
第1期の最初に2回接種するとウイルスを中和できる抗体ができます。
その後追加接種することで免疫がさらに高くなります。ワクチンの効果は3~4年で徐々に下がってきますので、第2期接種を行い長く免疫が続くようにします。
接種スケジュールと接種回数
生後6ヵ月~90カ月(7歳6ヵ月)未満、標準的には、3歳の時に6日以上(標準的には6から28日)の間隔を空けて2回接種、その後初回接種から6ヵ月以上間隔を空けて追加接種をします。(標準的には約1年後に追加接種)
その後9歳以上13歳未満、標準的には9歳で1回接種します。
日本脳炎ワクチンの接種は合計4回です。
接種することができない方
- 発熱がある方
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- ワクチンの成分によってアナフィラキシー(重度のアレルギー反応)を起こしたことがある方
ワクチン接種に注意が必要な方
以下に当てはまる方は事前にご相談ください。
- 心臓、血管、腎臓、肝臓、血液に持病がある方
- これまでの予防接種で接種後2日以内に発熱や全身性発疹等アレルギーを疑う症状のある方
- 過去にけいれんの既往がある方
- 過去に免疫不全の診断がなされている方
- 先天性免疫不全症の病気をもっている近親者がいる方
- ワクチン成分に対してアレルギー反応を起こすおそれのある方
監修 小児科専門医 大和田夏子