おたふくかぜについて
おたふくかぜはムンプスウイルスの感染によって起こる病気で、接触感染や飛沫感染など人から人へ感染します。症状がはっきりしない方が30~40%いるといわれており、流行することがあります。
また、おたふくかぜは学校保健安全法にて第二種感染症に指定されており、耳下腺、顎下腺、舌下腺の腫れが現れてから5日が経過し、全身状態が良好になるまでは学校や保育園に行くことができないと定められております。
おたふくかぜの症状
潜伏期間は16~18日で、症状が現れない不顕性感染も多くありますが、下記のような症状が起こります。
- 発熱
- 頭痛
- 倦怠感
- 耳下腺、顎下腺、舌下腺の腫れ
- 耳の痛み
- 食欲不振
また、髄膜炎や脳炎、脳症、難聴、精巣炎、膵炎などの合併症が起こる可能性があります。
おたふくかぜワクチンの効果
おたふくかぜワクチンを1回定期接種している国では、発症者の88%が減少し、2回定期接種している国では99%減少しています。また、妊娠早期におたふくかぜにかかると自然流産を増加させる可能性がありますので、成人女性でおたふくかぜワクチンを接種していない方は妊娠していない間に接種することをおすすめします。
接種スケジュールと接種回数
おたふくかぜワクチンは任意で受けられるワクチンとなっており、計2回接種することをおすすめします。
日本小児科学会では、1回目を1歳になったら早めに、2回目を小学校入学前の1年間で接種することを推奨しています。
接種費用
おたふくかぜワクチンは1回5,000円で接種が可能です。
接種することができない方
- 発熱がある方
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- ワクチンの成分によってアナフィラキシー(重度のアレルギー反応)を起こしたことがある方
ワクチン接種に注意が必要な方
以下に当てはまる方は事前にご相談ください。
- 心臓、血管、腎臓、肝臓、血液に持病がある方
- これまでの予防接種で接種後2日以内に発熱や全身性発疹等アレルギーを疑う症状のある方
- 過去にけいれんの既往がある方
- 過去に免疫不全の診断がなされている方
- 先天性免疫不全症の病気をもっている近親者がいる方
- ワクチン成分に対してアレルギー反応を起こすおそれのある方
監修 小児科専門医 井上奈⺒