デュピクセント~鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の治療薬~

当クリニックには頑固な鼻づまりや嗅覚障害でお見えになる患者も多いです。内視鏡で鼻内を観察すると鼻茸ができている患者もいます。
鼻茸が鼻閉や嗅覚障害の明らかな原因と考えられる症例では、手術のできる病院を紹介し、手術の適応(手術をするべきか、また手術ができるかどうか)について相談してもらっています。

このような患者さんで、手術を受け、手術後はしばらく快適に過ごされていた方でも、やがて鼻茸が再発してしまう患者さんがいます。
特に、両側の副鼻腔炎や鼻茸、血中の好酸球の上昇で診断がなされる疾患「好酸球性副鼻腔炎」の診断を受けておられる方も多いです。
このような患者さんには最近デュピクセントという薬で治療を行い、効果を上げています。

デュピクセントについてはsanofiのHP https://www.support-allergy.com/crswnp/ にわかりやすく説明されていますのでご覧いただければと思います。ここではデュピクセントについて簡単にご案内しようと思います。

デュピクセントとは

デュピクセントは鼻や副鼻腔炎の炎症に深く関与している伝達物質(インターロイキン4、13)を抑えることにより、鼻茸を小さくする、鼻水や鼻づまりの改善、匂いのわかりにくさを改善するなどの効果が期待できます。

期待できるデュピクセントの効果

  • 鼻茸を小さくする効果
  • 鼻閉、鼻漏を改善する効果
  • 嗅覚障害を改善する効果
  • 長期にわたって症状をおさえる効果

デュピクセントが投与できる方

鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎で手術をしても再発してしまったか、または手術ができない患者で全身性ステロイドなどの薬物療法を行っても症状が改善しない場合です。鼻茸や鼻閉、嗅覚障害が一定以上ある方への投与が認められています。

投与に注意が必要な方

  • 寄生虫感染のある方
  • 生ワクチンを接種する予定のある方
  • 妊婦または妊娠している可能性のある方、授乳中の方
  • 高齢の方
  • 喘息等の他のアレルギー性疾患をお持ちの方

☆この薬はいわゆる生物学的製剤で大変高価であり、自己負担が一定の金額を超えたときは高額療養制度により医療費の補助を受けられます。

☆また指定難病である「好酸球副鼻腔炎」と診断されている場合、基準を満たせば医療費の助成を受けられる可能性があります。
好酸球性副鼻腔炎は「指定難病」になっており、診断を受け、一定以上の重症度となった場合に、医療費の一部が公費で助成される可能性があります。(世帯の構成や所得により自己負担の上限額が決まります)

当院に見える患者さんでもこのような助成を受けながら経済的負担を軽減しながら治療を行っているかたがほとんどです。助成が受けられるか知りたいという方はお尋ねください。

上記「デュピクセントが投与できる方」に当てはまる方、特に手術後に再発してしまった方では、当院でも症状改善のお手伝いができるかも知れません。
遠慮なくご相談頂ければと思います。

耳鼻咽喉科専門医
難病指定医
中村敏久